日本人は知らないProduce48の姿~韓国発・アジアで大ブームを起こしているサバイバルオーディション番組~

5月10日、世界各地にネットワークを持つ韓国の音楽系ケーブルチャンネルMnet(日本ではCSチャンネル)の看板番組であるK-POPチャート歌番組「M COUNTDOWN」(日韓では生放送)内で、「Produce48」練習生96名が歌うシグナルソングが初公開されました。「Produce48」は、韓国では大変人気のある国民(視聴者)の投票によってのみデビューするアイドルが選出されるオーディション番組「Produce101」のシーズン3にあたるもので、今回グローバルアイドル育成プロジェクトとしてAKB48とのコラボレーション企画が実現、大変話題になっており、6月15日初回放送を予定しています。シグナルソングは、練習生たちにとって最初の課題曲になる楽曲のことで、今後この番組とここからデビューするガールズグループの象徴となる曲になります。はたして、どんな感じだったのでしょうか。

 

■「Produce48」シグナルソングが公開!

この日「M COUNTDOWN」番組開始から、「Produce48」の公開時間をカウントダウンで途中何度も紹介し、相当期待をあおっていました。何と言っても関心の中心はセンターであり、ここでセンターになった人は今までデビュー組に選出されています。番組終盤、国民プロデューサー代表イ・スンギの「It’s show time!」の掛け声でそれは始まり、最初に現れたセンターはHKT48の宮脇咲良。曲の2番ではAFTERSCHOOLカウンがセンターでした。曲名は『Pick me 내꺼야(私のものよ)』。歴代のシグナルソング同様、中毒性を感じさせる“サビ”のメロディーはより多くの人の記憶に残りそうです。個人的には曲もダンスも少し控えめに感じましたが、途中日本語の歌詞もあるなど、今回ならではの企画で、華々しく公開できたのではないでしょうか。

 

■HPも順次公開

国民(視聴者)の投票によってデビューするアイドルが選出されるこの番組の基盤、投票をする場であるHPも、5月11日以降、毎日十数名ずつ練習生の紹介がUPされ、一週間かけ晴れて96名が出揃いました。まだログイン等はできないようです。シーズン2の時もそうでしたが、投票方法などは初回放送内で案内され、放送後投票できるようになったので、もう少し待ってみましょう。今回日本からAKBメンバーも39名参加しており、個人的には数か国語でHPが表示できるように作られるのではないかと期待していますが、今のところ韓国語表示のみです。ただ、シーズン1からのコンセプトのもと、視聴者を視聴者とは言わず「国民プロデューサー」と呼ぶところは徹底しており、国民が韓国国民なのであれば、HP表記も韓国語だけかもしれません。なお、各練習生のPR動画は確認できます。見ている方が恥ずかしく思ってしまいそうなほど初々しい動画です。

 

■韓国では多く放送されているオーディション番組

日本の代表的なオーディション番組と言えば、鈴木亜美やモーニング娘。、CHEMISTRYなどを輩出した「ASAYAN(1995~2002年放送)」と、それ以前だと山口百恵、ピンクレディ、中森明菜、小泉今日子を生んだ「スター誕生!(1973~1983年放送)」まで遡ってしまい、あまりありません。一方韓国では、オーディション番組放送がとても盛んであり、Mnetで2009年に放送されブームになった「スーパースターK」はシーズン8までありました。他の放送局も「偉大なる誕生」や「K-POPスター」など追随し、これらからデビューしたアーティストは数多くいます。これらのオーディション番組は、カリスマプロデューサーや大御所アーティスト数名で、応募者数十万人の歌やダンスパフォーマンスを合格かどうか審査し、最終的に1人のスターを発掘する仕組みです。これとは少し違ったもので、大手芸能事務所内の練習生たちの中で、誰を選抜してデビューさせるかの経緯をリアルバラエティとして放送するオーディション番組も多くあり、これらからデビューしたグループは、日本でも人気のある2PM、Twice、Monster X、SF9、Pentagonなど多数です。なお、「Produce101」シリーズがここまで人気が出た理由の1つは、オーディション番組を見慣れている視聴者が国民プロデューサーとして投票できるところにあり、「応援」が「練習生の成長」=「育成」につながっていると感じられるところではないでしょうか。

 

■「Produce48」魅力的なMC・トレーナーたち

「Produce48」のMC・トレーナーたちは、練習生たちに良い刺激を与え、愛のある指導・激励にあたり、練習生たちの成長にとても貢献しているところが、この番組の特徴のひとつであると言えると思います。HPにそれぞれ経歴はでていますが、ここでは、日本から参加している練習生にとって、期待できる点を考えてみたいと思います。

・MC(国民プロデューサー代表):イ・スンギ

2004年歌手デビュー。ファーストアルバム収録曲『俺の女だから』で人気を博し、”年上彼女シンドローム”を巻き起こし”国民の弟”と称されました。俳優・番組司会もこなすマルチタレント。日本では、韓国ドラマや『華麗なる遺産』やバラエティ『1泊2日』で彼を見たことがある方がいるかもしれません。最近兵役を終え、復帰したばかりですが、すでにドラマ、映画、バラエティに出演しており、人気振りが伺えます。超好青年が練習生たちの良きお兄さんとして、導いてくれることでしょう。

・ボーカルトレーナー:イ・ホンギ

ロックバンドFTISLANDメインボーカルで爆発的な歌唱力を持ち人気があります。FTISLANDは日本でも2008年にインディーズ、2010年にメジャーデビューしており、2017年日本ライブツアーの最終は日本武道館で行いました。日本のアーティストとも親交があり、何より日本語を話すことができるので、良き相談相手になってくれるのではないでしょうか。

・ボーカルトレーナー:ソユ

2017年に解散してしまったガールズグループSistarのリードボーカルでした。Sistarは日本でデビューこそしませんでしたが、圧倒的な歌唱力・ダンスパフォーマンスと、抜群のスタイルとセクシーな衣装で魅了し、出す曲は常にチャートインしていたので、K-POPをチェックしている人なら知っている方も多いと思われます。ハスキーボイスが心地よく、最近はEXOのベッキョンとなど、他のアーティストとコラボも多く、音源チャートでも常連です。自分も練習生だった時代があり、苦労のわかる良き先輩になってくれると思います。

・ラップトレーナー:チーター

韓国における女性ラッパーの第一者。「Produce101」シーズン1、シーズン2ともトレーナーとして参加しており、厳しくも愛のある指導は、心打つものがありました。歌手になりたくて準備していましたが17歳の時に交通事故に遭い、歌えなくなってしまいますが、どうしても音楽をあきらめられず始めたのがラップだったそうです。人生の先輩としても頼れる情熱的なお姉さんになってくれると思います。

・ダンストレーナー:ペ・ユンジョン

日本で人気を博したKARAのヒット曲「ミスター」の“お尻ダンス”を振付けたのが彼女です。韓国では超人気振付師であり、EXID「Up & Down」、ブラウンアイズガールズ「Abracadabra」など、有名な振り付けがたくさんあります。「Produce 101」シーズン1シグナルソング「Pick Me」、シーズン1からデビューしたI.O.Iのデビュー代表曲「Dream Girls」の振り付けもしています。そんな先生からレッスンを受けられることは、羨ましいと思う人もいるかもしれません。

・ダンストレーナー:チェ・ヨンジュン

経歴としては、昨年日本でも女子中高生たちの間で大変話題になったTwiceの「TT」等にも参加しているようです(「TT」の振り付けは、リア・キム、パム・ナンヨンも知られています)。ガールズグループに限らず、日本でも人気のGOT7、seventeen、EXOの振り付けもしています。「プロデュース101」シーズン2からデビューしたWanna Oneのデビュー代表曲「Energetic」等のダンスも作りました。カリスマ的なトレーニングを受けることができるのではないでしょうか。

・ダンストレーナー:イ・ジヒョン

代表的な経歴としてはTwice「Knock Knock」のダンスメイキング参加ですが、彼女は世界的に有名な韓国のダンススタジオ「1million dance studio」のカリスマトレーナーであり、パフォーマーでもあります。「1million dance studio」のHPではトレーナー紹介の動画が掲載されており、彼女のキレっキレのダンスを確認することができますが、練習生たちは体感することができますね。

 

■デビュー後の活動について

2017年も世界の音楽市場の中で、日本は米国に次ぐ2位と大きな市場です。韓国は6位で人口等を考慮すると比較的大きな市場であり、デジタル配信・ストリーミングの割合が高く、海外展開も活発と言えます。(参照:国際レコード産業連盟(IFRI)「Global Music Report 2018」)。なお、日本国内で2017年にミリオンセラーに認定されたシングルは、AKB48、乃木坂46の曲のみ(参照:一般社団法人日本レコード協会「日本のレコード産業 2018年版」)であり、ドメスティックなアイドル産業に支えられおり、まだパッケージの割合が高くガラパゴス的市場と言われています。今回のコラボレーションは、韓国は日本の音楽市場をメインに、日本は韓国を通して世界の市場をターゲットとし、市場開拓を試みていることが推測できます。

なお、「Produce101」シーズン2からデビューしたWanna Oneは、先に「Wanna One World Tour <ONE:THE WORLD>」で、サンホセ(6月21日)、ダラス(6月26日)、シカゴ(6月29日)、アトランタ(7月2日)、シンガポール(7月13日)、ジャカルタ(7月15日)、クアラルンプール(7月21日)、香港(7月28、29日)、バンコク(8月4、5日)、メルボルン(8月17日)、台北(8月25、26日)、マニラ(9月1日)など13都市で全18回のコンサートを開催する予定を発表しており、後になって、日本では7月10日と7月11日に、幕張メッセ国際展示場で単独コンサートをすることを公表しました。「Produce48」からデビューするガールズグループは、日本ではAKB的な握手会やライブを行い、世界ではWanna Oneのように活躍するのかもしれません。

 

(記事:橋本)

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