コンテンツ東京・特別講演「AI×クリエイティブ」速報レポート
~AIは手塚治虫のような作品を生み出せるのか?~

 6月28日〜30日、東京ビッグサイトにて「コンテンツ東京/AI・人工知能EXPO」が開催されました。同イベントは、日本の最先端のAI・人工知能技術を見聞きできるとあって、多くの人が詰めかけました。

29日の特別講演では、日本を代表するAI研究者(松原仁氏、栗原聡氏、山川宏氏、松尾豊氏*ビデオ出演)と手塚眞氏が「AIとクリエイティブ」をテーマにトークを繰り広げました。実は、この4名の先生方と手塚眞氏は、現在NHK総合テレビで放送中のアニメ作品『アトム ザ・ビギニング』のコミック企画・開発段階から監修として携わっていただいており、そのご縁で、今回の特別講演が実現しました。

 冒頭、手塚氏より本日の主題「AIはクリエイティブな能力を持ち得るのか?」、「AIは手塚治虫のような作品を生み出せるのか?」についての問いかけがあり、クリエイティブを行うために必要な4つのポイント(「アイデア」「テクニック」「エモーション」「ジャッジメント」)が示され、手塚治虫氏のマンガ制作方法を交えつつ説明がなされました。

作品のクリエイティビティの根幹をなす「アイデア」、そしてそのアイデアを実現するためのストーリー手法や描画手法などの「テクニック」、加えて人を感動させる「エモーション」、それら全てが受け手にとって面白いかどうかの「評価(ジャッジメント)」、これら一連の創造性を生み出す複雑なプロセスをAIがどう実現するのかがひとつ焦点になるとのことで、3名の先生方より、各々の考える実現方法について解説がなされました。

 松原氏は、現在の人工知能の現状と限界を説明した上で、究極的には『鉄腕アトム』のように心を持ちクリエイティブが可能なAIのあり方として、”汎用人工知能”の研究の意義を訴えました。続いて栗原氏は、”AIの自立性”がイノベーションを起こす糸口となるという考えを説き、最後に山川氏は、創造性発揮のプロセスと人間の心をAIに転送する”マインド・アップローディング”の重要性について言及しました。

パネルディスカッションでは、人間の心を持って物事を評価するAIの実現可能性について討論がなされ、さらに今回登壇の諸氏より「手塚治虫デジタルクローンProject」の構想が発表されました。(http://www.7ken.org/

 最後に手塚氏が総評し、公正な人間観と価値観を持つ手塚治虫のデジタルクローンが出来上がれば、クリエイターとAIが協業していく時代において新しく健全な指針が完成する。そういう意味では意義深いプロジェクトになると締めくくりました。

クリエイティブを実践するAIの実現可能性と、具体的なアプローチ方法を見いだせる内容の濃い講演となりました。本サイトでは、今後、3回に渡って、松原氏、栗原氏、山川氏のトーク内容をレポートしていきますので、ぜひお楽しみに!

■コンテンツ東京・特別講演「AI×クリエイティブ」の関連記事(全4回)
・【第1回】速報レポート ~AIは手塚治虫のような作品を生み出せるのか?~
・【第2回】松原仁氏講演レポート ~人工知能と創造性~
・【第3回】栗原聡氏講演レポート ~クリエイティビティの本質と、AIによるイノベーションの鍵~
・【第4回】山川宏氏講演レポート ~脳型AIと創造性~

*「手塚治虫デジタルクローン」Projectとは…
『アトム ザ・ビギニング』に登場する、アトムを生んだ若き天馬博士とお茶の水博士が所属する研究室「練馬大学 第7研究室」を実際のAI研究者の方々と立上げ、そこでクリエーターの創造活動を支援するクリエイティブAI「手塚治虫デジタルクローン」を開発することを目指すプロジェクトです。
お問い合わせはこちら。
http://www.7ken.org/

*NHK総合毎週土曜23時から『アトム ザ・ビギニング』アニメ放映中!
http://atom-tb.com/

*コミックは現在月刊ヒーローズに連載中、単行本6巻発売中!
http://www.heros-web.com/works/atom/

*FRIは『アトム ザ・ビギニング』、「コンテンツ東京 特別講演」、「手塚治虫デジタルクローン」Projectを応援しています。

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