渋谷ストーリー Vol.13 道玄坂

建物と建物の隙間には、何か秘密が隠されているようだ。表に見せない仕掛けや配管。路地裏周りの楽しさのひとつは、隙間に何かを発見することにあるのかもしれない。ここで見つけたのは、植物の反乱。

廃屋前景。都会的な建物の中にぽっかりと浮かぶその光景は、時代の移りかわりを象徴する。パイプの囲いは、人からではなくで時代からの隔離だろう。

花壇に見える。でもたぶん、元はごみ箱ではないか。昔は町内のあちらこちらに据え付けてあった、コンクリート製のごみ箱。重く、動かしがたいために、こんな使い方になったのだろう。崩れて、放置されているようだが、そこでも花を咲かせる植物のたくましさ。

珍しく整備された路地。奧がホテルの入り口なので、きれいにしているのだろう。下町でよく見かける細い路地の先が、けばけばしいホテルの入り口なのが、ちぐはぐでおかしい。

建物に植物をまとわりつかせるのはなぜだろう。庭のない寂しさを、鉢植えで紛らわすうちに、植物がはびこってしまうのだろうか。断熱効果が叫ばれる前に、生活の知恵は植物との共生の利点を教えていたのかもしれない。

(写真:瀬尾 太一)

[ Japacon× FIELDS Research Institute ]

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