お金がなくたって、幸せになれる!? 統計データから見えた幸せの法則

昨年、日本では『この世界の片隅に』というアニメ映画が、異例の大ヒットを記録しました。この映画は、第二次世界大戦中の広島と呉を舞台に、激しい戦火に見舞われながらも、そこでたくましく生きた人たちを描いた作品です。
この映画には、数々な名場面があるのですが、特に印象深いのは、主人公・すずさんが料理をつくるシーンです。戦時中は食糧に乏しく、わずかに配給される玄米を家族みんなで分け合う貧しい暮らしだったようですが、映画の中のすずさんは持ち前の明るさで、音楽を奏でるように料理をつくり、家族みんなを笑顔にします。
私はこの映画を見て、「人の幸せって、物の豊かさ以上に心の豊かさが大事だなー」と、あらためて気づかされたのでした。

では、今の時代ではどうでしょうか。日本人1万人のアンケート調査(Fields Yoka Survey)のデータから、世帯年収200万円未満の人たちの幸福度を見てみました。

世帯年収200万円未満の人たちは、日本人全体の約10%ほどなのですが、そのうち「とても幸せ/やや幸せ」と回答した人は47%、一方、「とても不幸/やや不幸」は23%でした(「どちらともいえない」は30%)。では、この47%の幸せな人たちはどんなメンタリティなのでしょうか? さらに23%の不幸な人たちと比べた時に、「価値観」や「行動」に違いはあるのでしょうか?

二者の回答結果を見比べてみると、特徴的な傾向が見えてきました。まず、“価値観”については、ほぼ同じ傾向でしたが、“行動”については明らかな違いが見られました。
中でも差が大きかったのは、家族・恋人・友人といった「人間関係」と「食事」です。幸せだと回答した人たちの40%ほどは「人間関係」と「食事」を重視しているのに対して、不幸だと回答した人たちは20%そこそこで、あまり重視していないという傾向が見て取れたのです。

もちろん、人の幸せや不幸といったものは、様々ことが絡み合って生じる感情なので一概には言えないのですが、それでも「人間関係」や「食事」を向上させることで、人の心は満たされると思いますし、少なからず、幸せに近づくのではないでしょうか。

というわけで、もし最近、ちょっと不幸だな…なんて感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ、家族や友達とおいしいご飯を食べる機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

(記事:武田 康宏)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です