「闘会議2017」レポート -ゲームと一緒に、生きてきた-

ゲームファンとゲーム大会の祭典「闘会議2017」が開催されました。大きな盛り上がりを見せたイベントの模様をレポートします。

■ゲームのことならなんでもあり!

先日2月11日と12日、幕張メッセで開催された「闘会議2017」。各ブースでネット配信が行われ、リアル来場者数が6万8千人余り、ネット来場者数は412万人にも達した。
「ゲームと一緒に、生きてきた」そんなキャッチコピーのイベントだが、会場を訪れた印象はまさに“コアゲーマーのための祭典”、“ゲームに関することならなんでもあり”というものだった。
参加者の年齢層や、家族連れや若者同士などグループ構成も実に幅広い。

「闘会議2017」会場の様子

会場には、最新のeスポーツのバトルアリーナに多くの人が集まっている隣で、レトロゲームのコーナーに行列が出来ている。初期のファミコンやサターンなど、懐かしいゲーム機がクラシカルな音を響かせている。一方、最新ゲーム機「NINTENDO Switch」の体験エリアの隣では、“畳”が引いてあり、「花札」が行われている。

レトロゲームのコーナー

「花札」で勝負中!

他にも、ゲーム実況エリアやゲーム音楽ステージ、コスプレエリア、物販、各企業ブースと続く。中には「ゲームのセンター試験」という会場があって、一度に80人ほどが席につき、ゲームに関するマークシート式のテストを行っていた。その回のテストが終わると、またすぐ次の参加者で会場が埋まっていく。平均点と共に上位者が常に表示され、毎回ランキングが更新される。みんな真剣にテストに向かっていた。
そんな中で筆者が気になったコーナーを紹介したい。

ゲーム実況エリア

ゲーム音楽ステージは凄い盛り上がりだった!

ゲームのセンター試験会場

■クトゥルフ神話

多くのブースがある中で、2日間とも朝の開場と共に整理券が無くなったブースがある。アナログゲームエリアの隣に設置された、『クトゥルフ神話』テーブルトークRPGのブースだ。
テーブルトークRPGとは、会話によるリアルなコミュニケーションで物語や謎解きを進めるRPGだ。ここ数年ジワジワと人気を高めているアナログゲームにあって、今、最も火がついているものの一つが『クトゥルフ神話』だ。プレイの様子を伝えるネット動画も多数UPされ、人気を集めている。

『クトゥルフ神話』ブース

『クトゥルフ神話』で謎解きに挑む!

『クトゥルフ神話』はH.P.クラフトによって書かれた架空の神話で、絶対的な力を持つ邪神に関わる様々な事件に参加者が巻き込まれていくという設定だ。邪神によって引き起こされる“狂気”がゲーム展開の重要な要素となる。
今回は20メートル四方ぐらいのブースで行われた。中は4つの部屋で構成されている。ゲームキーパーと呼ばれる進行役スタッフと共に、4人で参加し、一部屋6分間という時間制限の中、謎を解きながら、部屋を進んでいく。
参加者に話を聞くと、「発狂していく過程が面白い。」(20代女性)「初めて参加したが、会話で進めるのが面白く、またやりたい」(10代女性)「最後は運なので…」(20代男性)といった声が聞かれた。

『クトゥルフ神話』ブースの入り口

部屋の様子

精神安定剤は狂気を抑える効果がある

部屋を進んでいくと最後の部屋に待っているのが邪神だ。邪神に対して、参加者が謎解きの自分なりの答えを告げる。そこでグッドエンディングかバッドエンディングか、“生還”か“破滅”かが審判される。邪神の方に話を聞いたが、ユニークなのは、謎解きが正解でなくても、懸命な説明に対して、邪神が「理にかなっている」と判断するとグッドとするそうだ。その辺りがリアルなコミュニケーションゲームならではだ。
但し、邪神がグッドと審判しても、最後にサイコロを振らねばならない。その目によって、生還か破滅かが決まる。最後は“自らの手で道を開かねばならない”ということだそうだ。実は、朝の入場の際も、サイコロを振る。4以上の目を出さなければ、早く並んだにも関わらず整理券がもらえない。
そんな理不尽さこそが、道筋の作られたデジタルゲームとは異なる、アナログゲームの醍醐味だ。

最後の部屋に待つ邪神さん

“自らの手で道を開かねばならない”

■eスポーツ

2日間にわたり、4種目のeスポーツ競技大会が行われ、大きな盛り上がりを見せた。中でも、先日このサイトでも紹介した『オーバーウォッチ』は、さながらプロレス会場のような熱気と歓声に包まれていた。
最後にe-sports 促進機構の代表 高橋名人が「みんなで世界を目指しましょう!」と結んでいた。日本でもeスポーツは着実に根付きつつあると感じた。

『オーバーウォッチ』競技会場

『オーバーウォッチ』で優勝したRNG5

■インディーズゲーム

映画でも、音楽でもそうだが、インディーズの盛り上がりは、そのメディアの人気のひとつの指標だと筆者は思っている。商業ベースにとらわれない、情熱だけで作られた作品群だ。有名な作品ではないのに、面白そうという理由だけで、途切れることなく多くの人が並んでいた。『PICO PARK』という作品を展示していた開発者のTECOさんは、普段は職業プログラマーだという。自由なゲーム作りをしたいという思いから、制作を続けてきたが、2014年まではインディーズゲームと言っても、全く話題にならなかったと言う。それが2015年以降、急速にイベントも増え、メディアにも取り上げられるようになり、手応えを感じていると語る。米国ではインディーズから口コミで大ヒットした作品が何本もある。日本での活性化を願うばかりだ。

インディーズゲームのコーナー

人気を集めていた『Gang Beasts』 ウネウネとした操作感のキャラクターを使って、

工事現場やトラックの上でバトルロイヤルを繰り広げるゲーム

インディーズゲーム開発者のTECOさん

TECOさんの作品『PICO PARK』 複数人で力を合わせて解くパズルゲーム

■エピローグ

ゲーム歴史年表

会場の一角に「ゲームの歴史」コーナーがあり、年表が展示されていた。その年表には、参加者が付箋に書いた思い出コメントがびっしりと貼り付けられていた。
ファミコンの発売から見ても35年ほど、メディアの歴史としてはまだまだ浅い。その間、他のメディアと違い、プラットフォームが固定せず、シンプル化と複雑化の流れを何度も繰り返す独特の歴史、発展を歩んできた。それが混沌とした多様化に繋がっていると思われる。レトロゲームに並んでいる人も、懐かしさではなく、そのカテゴリーが好きでやっているのだ。
「闘会議2017」は、“楽しければ何でもあり”と言うゲームの本質をまさに体現したようなイベントだった。これからもゲームという文化を紡いでいくに違いない。

「闘会議2017」
http://tokaigi.jp/2017/

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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