チアルート・イムウェ
~座頭市にも似た侍魂を持つ彼は異国文化の融合を体現したキャラクターだった~

スター・ウォーズシリーズから誕生した新たなヒーロー“チアルート・イムウェ”から目が離せません。皆さんはもう、チアルートを体験しましたか?

スター・ウォーズシリーズの最新作『ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の世界興行収入はついに10億ドルを超え、現在もその熱気は続いています。本作は本編のスピンオフとなっており、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前を描いた作品です。

チアルートは、強い信仰心とたぐいまれな武術により、主人公を助け、仲間を導く、盲目の僧兵です。
本作は、ジェダイの騎士やその能力の源“フォース”が廃れた世界ですが、チアルートはフォースへの信仰心を決して捨てません。彼は、“信じる者に力は宿る”と確信しているのです。

この信心深さ、純粋さ、そして、時代に逆らっても信念を貫く姿は、幕末から明治にかけて活躍した侍と重なります。たとえば、『ラストサムライ』の勝元(かつもと)や『るろうに剣心』の緋村剣心とも多くの共通点を持っています。また、盲目でありながら武術の達人であり、戦いの中でますます感覚が研ぎ澄まされて行きます。この姿に『座頭市』を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

もともと、スター・ウォーズの物語はその基盤に“ヒーローズ・ジャーニー”があると言われています。この成長物語において、主人公に助言を与えたり導いたりする“賢者”の役割がとても重要なのですが、チアルートの存在はまさにその役割を担っています。

最後に、チアルートを演じるドニー・イェンですが、彼は、香港のスーパースターであり武術家です。中国武術や香港映画の長い歴史の一端を背負う彼が、座頭市やラストサムライを彷彿するキャラクターを演じてくれることで、中国と日本の文脈も融合されたように感じます。
さまざまな国の宗教や文化や、ハンディキャップなどの個性を、一人のキャラクターに融合する。そして、それが体験者の胸をうつこと。これこそが、ポリティカル・コレクトネスなのかもしれません。

Official Site
http://starwars.disney.co.jp/content/disney/jp/starwars/movie/r1/character/character03.html

※「ヒーローデータベース」とは、FRIが定量調査に基づいて、ヒーローキャラクターを“13の性格特徴”と“6つのヒーロー属性”で評価するデータベースです。

(記事:かん ななえ)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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