「ジャパンアミューズメントエキスポ」レポート -3つの新潮流- 後編

先日、2月10日から12日まで幕張メッセで開催されたアーケードゲーム(ゲームセンター向けゲーム)の祭典「ジャパンアミューズメントエキスポ2017」(以下、JAEPO)。そのレポート後編をお届けします。

■ピックアップ3:アーケード向けVR(バーチャルリアリティ)ゲーム

今回最も注目を集め、多くの人が行列をなしていたのがこちら。すでに家庭用ゲームやPCではVRゲームが発売され、話題を集めているが、いよいよアーケード向けVRゲームが登場する。

複数社が展示していたが、中でも数多くのVR作品を出展していたのがバンダイナムコエンターテイメント社だ。各作品にもの凄い行列が出来ていた。デモ展示ではあったが、高層ビルの上で猫を救いに行く『高所恐怖SHOW』や『ガンダムVR ダイバ強襲』など、VRならでの没入感、迫力があった。特に『高所恐怖SHOW』はヒリヒリする…
そして同社からはアーケード向けVR機『ドラえもんVR どこでもドア』(※1)の発表があった。

バンダイナムコエンターテイメントのVR ZONE

『ガンダムVR ダイバ強襲』(バンダイナムコエンターテイメント)©創通・サンライズ

『ガンダムVR ダイバ強襲』画面(バンダイナムコエンターテイメント)

『高所恐怖SHOW』画面(バンダイナムコエンターテイメント)©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

一方、注目を集めていたのが、コーエーテクモウェーブ社の「VRセンス」だ。こちらはVRゲーム用の筐体となる。体験プレイはビジネス・デーにもかかわらず凄い行列で、2時間待ちでやっとできた。
ブース型の形状になっていて、ヘッドマウントディスプレイの他に、シートがアクションに合わせて“動く”。また“香り”“風”“温冷”“ミスト”といった機能が搭載されると言う。

「VRセンス」(コーエーテクモウェーブ)

今回は試作品ということで、シートの“動き”と“風”のみの仕様となった。体験ゲームは3作品あったが、筆者はホラーゲーム『だるまさんがころんだ』とアクションゲーム『真三國無双』をプレイした。予想以上にシートはしっかり動き、風も来る。かなり臨場感がある。(語弊を恐れずに言うならば、VR機と映画館の4DXを組み合わせたような感覚だ。)スタッフによると全ての機能をシンクロさせるための開発にかなり苦労したと言う。
『だるまさんがころんだ』はその名の通りのゲームをホラーテイストにしたものだが、クリアしたくなる病みつき感があった。『真三國無双』も敵に囲まれている感が半端ない。
そして筐体としてみると、思いのほかコンパクトだ。VR機は大型の筐体が多い中、ゲームセンターなど設置する側としてもメリットがあるのではないだろうか。
この「VRセンス」は、今年の夏、発売予定だと言う。

今回のゲーム機センター用VR機の出展を見て、総じて感じることは、やはり「没入感」が非常に高い。ドーム型全面スクリーンのゲームなどもプレイしたが、それと比べてもかなり高い。迫力、リアル感も通常のゲーム機にかなり優る。
家庭用VR機でハードの価格の高さや長時間プレイの疲れなどが指摘される中、短時間で遊ぶことができ、VR機はアーケードにかなり向いているのではないかと感じた。

一方で課題もある。ヘッドマウントディスプレイの装着や、プレイ中の荷物の管理など、
数台に1人はスタッフが常駐する必要がある。さらにプレイ時間の割に、装着に時間がかかり、行列などが出来た場合、かなりストレスを感じるのではないか。

可能性と課題を感じたVR機の展示だった。

■アーケードゲームのこれから

筆者も時々ゲームセンターには足を運ぶ身だが、今回のJAEPOを通して感じたのは10年前、20年前と比べて、“何も変わっていない”ということ。ゲーム好きなら、ゲームセンターで感じる不協和音に包まれた雑然とした楽しさ、心地よさ、ワクワク感は“何も変わっていない”。
今風なレコメンド機能など微塵もないが、何か新しい楽しさに出会うのではないかという期待感がそこにある。
市場は少子化の影響もあって、縮小傾向にあると言われているが、まだまだいろんな可能性を感じさせてくれる。そんなワクワク感で胸が膨らむ祭典だった。

「ジャパンアミューズメントエキスポ」
http://jaepo.jp/top.html

(※1)『ドラえもんVR どこでもドア』
https://www.doraeiga-vr.com/

>>前編はこちら

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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