『TOKYO ART CITY by NAKED』 ―エンタテインメントの仕掛け人 村松亮太郎氏に聞く― 前編

-雨が降っている。情報が流れだしていく。ネオンサインが灯り、個々のデバイスが繋がっていく。光の渦に包まれていくのだ。-
「都市とはアートである」をコンセプトに開催された、『TOKYO ART CITY by NAKED』をレポートすると共に、クリエイティブディレクター村松亮太郎氏のインタビューをお届けします。

『TOKYO ART CITY by NAKED』

村松亮太郎氏

■-新宿-渋谷-名もなき…-東京駅-

先日12月21日から1月12日まで、渋谷ヒカリエにて『TOKYO ART CITY by NAKED』が開催された。プロジェクションマッピングで東京を表現したイベントだ。
入り口をくぐると、新宿の看板街をイメージしたパネルが並ぶ。その向こうには都庁が見える。中に入っていくと、東京のシンボリックな街や建物を再現した巨大模型に圧倒される。都庁の奥にドコモタワーが建ち、右手には東京タワー、左手には東京国立博物館が建っている。建物と建物の間を“名もなきビル群”が埋めている。右手の奥には空港がある。
それらがプロジェクションマッピングで彩られ、輝いている。

新宿の看板街(奥に都庁が見える)

――コンセプトについて?

村松氏:都市とは、人の営み、人の生活が過去から現代まで集積されたものです。
アートは“artificial=人工的な”という言葉につながる。人の営みによって、人の手が加わってできたもの全てがアートだと考えています。都市とはアートの集積です。そこで「都市とはアートである」というコンセプトが出現します。

さらに奥に進むと、会場のほぼ中央に渋谷の街が出現する。中央には渋谷ヒカリエがあり、少し離れたところに、表参道ヒルズも見て取れる。渋谷の街はめくれあがっており、映画「インセプション」の一場面を髣髴とさせる。めくれ上がった渋谷の街は、天井に接する間際まで上がっている。天井には光のパイプが縦横に走っていて、車の流れを表現しているという。
渋谷の模型の裏側に回ってみると、地下鉄をイメージした重なり合う光の線が走りぬけていく。

――渋谷の街について?

村松氏:渋谷は谷になっていて、めくり上がっているのは“坂の街”を表現したかった。
そしてスクランブル交差点を中心に、様々な情報や文化を発信している、そんなダイバーシティな街です。さらに地上と共に地下にも街が広がっていて、発展しています。

一方で、めくり上がった先が天井に接しているのは物理空間と情報空間、バーチャル空間の垣根が無くなっていることを表現しました。

渋谷

中央に渋谷ヒカリエ

渋谷の地下

渋谷と東京タワー模型

渋谷を通り過ぎ、一番奥にあるのが東京駅。ここでは2012年に実際の東京駅で行われ、プロジェクションマッピングの代名詞となった『TOKYO HIKARI VISION』が再現されている。
その映像は圧巻だ。
それは100年前の東京駅舎から始まり、進化してきた東京の歴史が綴られる。村松さんによれば東京はスクラップアンドビルドを繰り返してきた、留まる事無く、常に<動いている>街だという。それを表現している。
映像が現代まで遡ってくると、今度は世界中に旅に出る。各地の祭りが音と3Dグラフィックで表現される。それは東京駅のフレームを飛び越え、まさに情報の洪水となる。
15分ほどの映像だが、訪れる人皆が釘付けになって見入っていた。

東京駅『TOKYO HIKARI VISION』

――今回のイベントでやりたかったことは?

村松氏:とにかく巨大な模型、ジオラマにこだわりました。巨大な模型の中に入って、
“住人”となって、東京という街を“体感”してほしかった。
プロジェクションマッピングはAR(拡張現実)だと思います。模型にCGを加えることで現実を拡張させ、“Chaotic都市”東京を、横軸(街の広がり)と縦軸(時間の流れ)で可視化したいと思いました。

後編もプロジェクションマッピングの魅力と村松亮太郎氏のインタビューを紹介します。

『TOKYO ART CITY』
http://tokyoartcity.tokyo/

>>後編へ続く

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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