残念すぎるイケメン阿良々木暦。意外にもアノ有名警察キャラとの類似点が?

西尾維新の代表品である〈物語〉シリーズの原点を描いた『傷物語』が劇場で公開中(2017.1.25時点)ですが、主人公である阿良々木 暦(あららぎ こよみ)のヒーロー性は他に類を見ません。
クラスで目立たないタイプの高校生である彼は、ある事件で限りなく人間に近い吸血鬼となり、不死身に近い体となってしまいます。その特異性はさておき、彼は「だらしない」「びびり」「根暗」そして「ド変態」です。「世界も救って女の子も救う。そんな強欲さこそが今時のヒーロー像だろ」というセリフからも、彼の持つ価値観はヒーローとしてだいぶ道を踏み外している気がします。
それでもコアの部分では、救えるものは救いたいという強い「正義感」が見え隠れします。両親が警察官であることも関係しているでしょう。その正義感が裏目に出て、後々自責の念に駆られることも少なくありませんが…。
当研究開発室の「ヒーローデータベース」に照らすと、「義理人情」や「個性」といったキーワードがマッチしました。なるほど阿良々木のダメっぷりな要素は、一貫した「義理人情」(つまり正義感)のもとでは「個性」として昇華することができそうです。強いのに弱い。弱いから強い。その振れ幅の大きさが、彼の魅力なのかもしれません。
類似するヒーローとしては銭形警部が挙げられます。直感的にはルパンっぽく思われるかもしれませんが、阿良々木はルパンのような「自信家」とは異なります。また、三者とも鋭い勘を持っていますが、詰めの甘さが露呈しがちなのは銭形警部と阿良々木にあってルパンには無い要素です。
ただ、銭形警部が幼女好きだったら生理的に受け入れられそうにありませんし、阿良々木が熱血漢の塊でできているとしたら面白くなさそうですよね。昇華される手前の具体的な個性⇒ダメ要素については、さすがに十人十色、あるいは適材適所ということでしょうか。

※「ヒーローデータベース」とは、FRIが定量調査に基づいて、ヒーローキャラクターを“13の性格特徴”と“6つのヒーロー属性”で評価するデータベースです。

(記事:前田 裕介)

http://www.kizumonogatari-movie.com/character/

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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