『サンリオ男子』 特別編 エンタメ市場で高まる女性ファンの存在感

サンリオのような女性市場をターゲットにしてきた企業だけでなく、現在、少年マンガなど、「男性」をターゲットにして作品が作られてきた傾向にあるサブカルチャーの市場においても女性ファンの存在感が高まっている。なぜ近年、女性ファンが注目されているのか。さまざまなデータを通して、女性ファンとサブカルチャーの関わりを探っていく。

■人気作品の傾向分析

図1は最近の人気作について、ファンの性別の比率を図式化したもの。少年、青年をターゲットにしてパッケージされている作品でも、人気作は多くの女性ファンを獲得していることがわかる。作品の傾向にもよるが、全体ではほぼ半々、といった印象だ。

これらのファンの、特に消費における傾向を見ていくと、図2、図3のような結果になる。女性ファンは男性ファンに比べて、「関連グッズをよく購入する」、「作品の感想をネットで話題にする」という結果となる。つまり、「作品そのもの(この場合はコミック)の購入以外での消費」、「周囲への拡散」という行為においては、男性ファンより女性ファンの方が影響力を期待できるのである。

アニメーションは、収益モデルの変化が非常に激しいビジネスだ。OVAが全盛を迎えた90年代は、パッケージビジネスが大きな収益をあげていたが、00年代に入り、パッケージビジネスが縮小。アニメに登場するキャラクターのグッズ販売やイベントなどの収益が重要となってきた。こういったグッズ展開の重要性の高まりは、あらゆるコンテンツビジネスにおいて共通する部分となっている。

そして、SNSの環境が高度に発達した現在においては、口コミの重要性もまた、ますます上がっている。口コミ貢献度の高さは、作品情報の拡散、イベントへの動員を考えた場合、女性ファンへのアプローチがいかに重要かを示していると言える。

そんな女性ファンが支える女性カルチャー。エンタテイメント市場におけるその存在感はますます増していくと考えられる。

>>『サンリオ男子』 前編 老舗キャラ企業の新展開

>>『サンリオ男子』 後編 老舗キャラ企業の本気度

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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