『サンリオ男子』 後編 老舗キャラ企業の本気度

2015年11月に公式Twitterで発表されるとすぐに女性から注目を集め、Twitterのフォロワー数は、2016年12月時点で約19万人に達している『サンリオ男子』。多メディアでの展開を図る本作品の戦略をレポートする。

『サンリオ男子』

■コンセプトは「サンリオキャラクターの底上げ」

『サンリオ男子』のプロデューサー、サンリオ企画営業本部の皆川真穂さんに話を伺うと、『サンリオ男子』と『SHOW BY ROCK!!』は全く別物だといこうことがわかってきた。
「『SHOW BY ROCK!!』は新しい市場の開拓を狙ったものです。一方で『サンリオ男子』はハローキティ、ポムポムプリンなど、サンリオ本来のキャラクターの底上げを狙って生まれたものです。」
女性市場で常に大きなブランド力を持っているサンリオのキャラクターであるが、あるマーケティング調査によると10歳までの幼、少女期には人気があるが、その後、一度離れ、大人になって再び好きになる。つまり10代女性層が薄い傾向にあるのだという。そこで10代女性層に『サンリオ男子』を好きになってもらい、その『サンリオ男子』が好きなサンリオキャラクターを改めて好きになってもらう循環モデルを作ることが狙いだという。

■ポイントは「リアルさ」の追及

とはいえ、そのためには10代女性層にささるキャラクターを作らなければならない。そこでこだわったのが「リアルさ」だという。
「実在するかのような“存在感”を出したかったのです。」

当然、デザインもこだわった。普通の高校生にみえるように何度も修正を繰り返したという。例えば、髪の毛は、実在する色でまとめ、髪型もシックにした。性格はそれぞれ個性を持たせているが、現在の流行のようにキャラクター数をあまり増やすと「思い入れ」が分散してしまうため、人数を5人までに絞ったという。
「息の長いヒット作を狙うには、どのくらいキャラクターに“恋”してもらうかが勝負。
女性なら誰しもが、5人の誰かを好きになってもらえるようなキャラクター作りができました。」と、皆川さんは自信をのぞかせる。

気になるのは今後の展開だが、前述のように漫画、アプリなどの展開はしているものの、本筋の公式サイトでは、『サンリオ男子』の物語は設定程度にしか明かされていない。公開されてから1年と少し、これから本当の物語が徐々に明かされていくという。
現在の時流にとらわれることなく、息の長いヒットを狙い、自社キャラへの循環を図る長期ビジョンに立った戦略。女性市場において、キャラクターを軸に多角的な展開を図っていくノウハウを蓄積してきたサンリオだからこそできる戦略と言えるのではないだろうか。
そこには“老舗の気概”さえ感じさせる。

特別編ではエンタメ市場で高まる女性ファンの存在感について考察する。

c’76,’96,’01,’15,’16 SANRIO CO.,LTD. APPROVAL NO. SP571351

サンリオ男子公式サイト
http://www.sanrio.co.jp/special/sdan/

サンリオ男子@カフェ
池袋パルコ本館7F THE GUEST cafe&diner  12/1(木)~1/4(水)
http://the-guest.com/sanriodanshi_ikebukuro/

 

>>『サンリオ男子』 前編 老舗キャラ企業の新展開

>>『サンリオ男子』 特別編 エンタメ市場で高まる女性ファンの存在感

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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