未来のデザインを考える!dotfes2016渋谷

11月20日、「デザイン×○○」をコンセプトに、これからのライフスタイルやエンタテインメントのデザインについて考えるイベント「dotfes2016渋谷」が開催されました。
様々な企業の出展やトークセッションが行われましたが、その中でもユニークなものをピックアップしてレポートします。

「dotfes2016渋谷」

 

■渋谷だからこそデザイン

会場となったのは、渋谷ヒカリエにあるDeNAの本社オフィス。このイベントを主催するDeNAデザイン戦略室の後藤さんは、本イベントの開催趣旨について、「渋谷はデザイン系の会社も多く、デザインの発信地。様々な分野で存在感を増す“デザイン”について考える場にしたい」と語ります。
会場では、新しい技術を駆使した遊具、ゲーム機などの出展ブースが並び、その傍らでは、トークセッションやワークショップなどが催されました。開催日が日曜日ということもあり、デザイン関連の仕事をしている人や、家族連れなど、多くの来場者で賑わいました。

会場となった渋谷ヒカリエ

興味深いテーマが多かったトークセッション

 

■ピックアップ 出展ブース

『Tataite Kabutte VR』
面白法人カヤック社が出展した本作は、日本の伝統的な遊び「たたいてかぶってジャケンポン」と「ダークファンタジー」をVRで融合させた独特な世界観のゲームです。
VRの力によってダークファンタジーの世界に迷い込んだプレイヤーは、同じように迷い込んだ他のプレイヤーと対峙し、命がけの「たたいてかぶってジャケンポン」に挑みます。お互い重厚な鎧を身にまとい、手にはハンマーや剣を持って戦います。ジャンケンをして、勝てば敵を武器で殴り、負ければヘルメットをかぶって防御しますが、防御に失敗すると、血しぶきを上げて地に伏します。シンプルなゲーム性ながら、過激な表現方法で思わず熱くなること必至です。
カヤック社VR部の原さんは、「身近な遊びを新しいデザインでユーザーに届けたかった。さらにVRゲームでは、ダークファンタジーものはまだ無いので、その意味でも新しいんじゃないかと――」と開発の意図を語ってくれました。

プレイ中の様子、 手元にはハンマーとヘルメットが

試合中のVR画面(実際は360°画面)「ジャンケンポン!アイコで…」

負けると、画面が揺らぎ、「you died」の文字が…無念!!

『Ameblo EX』
サイバーエージェント社が出展した『Ameblo EX』ブースにも多くの人が列をなしていました。Ameba統括本部の漆原さんによると、「ブログを視覚化して、これからの時代のブログを考えてみた」とのこと。
ARのメガネを覗くと、部屋の一角に水槽のような3DのAR空間が現れ、文字が飛び交っています。この文字一つ一つがいろんな人が書いたブログになっていて、文字を見つめると、画面が開いてブログになります。ブログが立体的で、視覚的にも楽しいデザインになっています。

モニターに映っているのがプレイヤーに見えている画面。文字が空中をフワフワ飛んでいます。

 

『らくがきカードバトル撃墜王』
ひときわ多くの子どもたちの人気を集めていたのが、ココノヱ社のアーケードゲーム『らくがきカードバトル撃墜王』です。
まずはカードに戦闘機や宇宙人などを描き、それをゲーム機にセットします。するとゲーム画面上に、先ほど描いた絵が飛び出して、ボタンを操作することで弾を発射し、相手と戦うことができます。さらには、描いた絵によってパラメータが変化し、能力に違いが生じるのだとか――。
「お絵描き」と「シンプルなシューティング」の面白さを併せ持っていて、子供から大人まで楽しめるゲームとなっていました。

まずはお絵描き

そしてひたすら撃ちまくる! 他にも様々な作品が出展されていました。

紙幣のデータを読み込ませて戦うゲーム、二千円札が強い!

ARを使ったレースゲーム

UFOを操って街行く人を吸い上げるゲーム

あぁ…吸い上げられる……

 

■ピックアップ トークセッション

「サイバーエージェントのサービスが生まれた舞台裏」
サイバーエージェント社の佐藤さんのトークセッションでは、インターネットテレビ局「Abema TV」、そして無料ホームページサービス「Ameba Ownd」の完成に至るまでの経緯を、試作段階のものを交えながら紹介していました。
両サービスとも、直観的でシンプルな「UI」が大きな特徴ですが、なんでも佐藤さんいわく、“自分のお母さんならどう使うか?”を徹底的に突き詰めて考えた結果だそうで、その発想の仕方や考え方に、聴講者もうなずきながら聞き入っていました。
また、上記のようなプロジェクトを推進するための人材育成にも力を入れているそうで、“デザイン力”と “IT系の技術力”を併せ持った「テクニカルクリエイター」を社内で育成しているとのことでした。
さらに、近年大きく変わったのが評価制度。以前はプロジェクトの成果だけで評価されていましたが、現在は“デザイン力”や“デザインの質”も評価対象となり、定期的に開催されている「デザイン・ロワイヤル」(経験や年齢に関係なく、ひとつの課題に全員で取り組み、5段階で評価し合う)は、会社全体のデザイン力を向上させることにつながり、それが業績にも大きく寄与しているとのことでした。

サイバーエージェント社佐藤さんのトークセッション

トークセッションは他にもQualiArts社による「スマホゲームにおけるVRコンテンツのトレンド紹介」や「企画提案大喜利」など、楽しい内容のものがいくつもありました。

QualiArts社トークセッション テーマは「スマホ向けVRゲーム」。

 

■デザインとテクノロジーはシンクロして進化する

今回のイベントを通じてあらためて感じたのは、“デザイン”と“テクノロジー”を共存させることの重要性です。本文中に紹介したカヤック社の『Tataite Kabutte VR』などは、伝統的な遊びが持つシンプルさや奥深さを維持しながら、VR技術と斬新なデザインの化学反応を起こすことで新しい楽しさを創出しています。
ライフスタイル関連分野においても、エンタテイメント分野においても、“デザイン”と“テクノロジー”を一体で進化させることが、これからの企業には求められるのではないでしょうか。

dotfes2016渋谷 HP
http://www.dotfes.jp/2016shibuya/

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です