女性コスプレイヤーが集結!池袋の未来 -前編-

女性カルチャーの聖地、東京の「池袋」。この場所が、近年“コスプレ”の地としても認知され始めています。華やかなコスチュームに身を包んだ女性コスプレイヤーが集うイベント「acosta!」など、池袋ならではの発展を遂げた、池袋のコスプレ事情を取材しました。

■女性カルチャーで盛り上がる池袋

先日11月5日・6日、池袋はアニメや漫画、ゲームなどを愛好する女性たちで埋め尽くされました。“きらめく乙女のワンダーランド”と銘打って「アニメイトガールズフェスティバル2016」(以後AGF)が開催されたのです。池袋サンシャインシティを中心に、数多くの企業ブース、作品ブースが軒を連ね、2日間で7万7千人あまりの来場者で賑わいを見せました。エンターテイメント分野での女性市場の盛り上がりを肌で感じる2日間でした。

「アニメイトガールズフェスティバル2016」会場の様子①

「アニメイトガールズフェスティバル2016」会場の様子②

■拡大を続けるコスプレイベント

そんなAGFと同時に開催されたのが、コスプレイベント「acosta!~AGF2016スペシャル~」です。
この日は鮮やかな衣装に身を包んだ女性たちが街を彩りました。この「acosta!」イベントの撮影エリアの一つとなるのがサンシャインシティの隣、「乙女ロード」(※1)沿いに位置する東池袋中央公園。イベント当日は、自分の好きなキャラクターになりきったコスプレイヤーが集まり、池袋が一気ににぎやかになります。このイベントの特筆すべき点は、なんといってもコスプレイヤーの8割以上を女性が占めていることでしょう。特に男性参加者を制限しているわけではありませんが、池袋には、自然に女性が数多く集まってくるのです。

「acosta!~AGF2016スペシャル~」 数多くの女性コスプレイヤーで彩る東池袋中央公園

「acosta!」は、2014年の3月に第1回が開かれました。イベントを主催しているのは乙女ロード地区でコスプレスタジオを運営している株式会社ハコスタ。企画運営部の西澤さんによると、もともとコスプレは、コアなファンのものでしたが、家族連れなどが気軽に単発のコスプレイベントを楽しんでいるのを目にして、もしかしたらコスプレは、ライトな層にも広がるんじゃないかと思ったと言います。そこで、池袋をコスプレの聖地にすることを目指して、「acosta!」第1回開催へと踏み切りました。

当初は、どれほど参加者が集まるか心配されましたが、予想を上回る約200人ものコスプレイヤーが参加する結果になりました。その後、現在にいたる2年8ヶ月余りの間に24回、ほぼ月に1回のペースで開催されています。参加者も回を追うごとに増え続け、今では5,000人が参加する規模へと成長しました。

前述の西澤さんによると、現在、コスプレの人気作品は“アイドルもの”とのこと。実際、参加者に聞いてみると、今の一番人気は『アイドリッシュセブン』か『あんさんぶるスターズ!』(どちらもスマホゲーム作品)という答えが返ってきました。ちなみに少し前は『おそ松さん』(アニメ)のF6(エフシックス)が人気だったとか――。
女性コスプレイヤーは流行に敏感で、いち早く新しい人気作のコスチュームを取り入れていくので、彼女たちのコスチュームに注目していれば、コンテンツの流行を掴むことができます。

■広がる女性コスプレイヤーコミュニティ

イベントに参加している女性コスプレイヤーに、その魅力を聞いてみました。
「ありのままの自分を出せる。1日楽しい。(20代女性、会社員)」
「コミュニティに参加できる。交流の場。(10代女性 学生)」
「子どもの頃ブラジルで育ったが、そこでも日本のアニメは人気があった。そのキャラになれるのが嬉しい。(20代女性 フリーター)」
さらにどこから来たのかを聞いてみると、青森、秋田、山梨など、この日のために、地方から上京した人も多くみられました。彼女たちは、それぞれ名刺を持っていて、そこで出会った人たちと名刺交換してtwitterで繋がり、コミュニティを形成しています。

まずは名刺交換!twitterで連絡を取り合います。

そしてインタビューを通じてヒシヒシと感じたのが、「実に礼儀正しい」こと。自分たちのイベントを皆で守っている、そんな思いが伝わってきます。

■イベントは街ぐるみで開催!

「acosta!」イベントのもう一つの特徴が、街全体がコスプレを容認するということ。その日は、サンシャインシティをメイン会場に、池袋駅近くの中池袋公園までの広いエリアのお店では、コスプレをしたまま入店可能で、食事をしたり、買い物をしたり、自由に街を闊歩することができます。

街を行き交う女性コスプレイヤーたち

また、コスプレイベントでは、コスプレを楽しむ人がいる一方で、そのコスプレを写真におさめることを楽しみにしている人も多くいます。「acosta!」でも、コスプレイヤーを囲むように、多くの人が写真を撮っていますが、撮影している人たちを見ると、女性が非常に多いというも、このイベントの特徴でしょう。

女性カメラマンも多い。

このイベントは回を重ねるごとに徐々に地域の人に認知され、コスプレイヤーのマナーの良さも相まって、入店可能店舗や、参加者へのサービス提供など、協力する店舗が増えてきました。イベントを見に来る観光客も増えています。
数年前までは、“これといって特徴のない街”といった印象もあった池袋でしたが、こういったイベントが開催され始めてからは、人の流れが変わり、街の様相も大きく変わりはじめました。『池袋の未来 後編』では、これからますます変化していくであろう池袋カルチャーについて、考察したいと思います。

池袋乙女マップ(豊島区公式ホームページより)
http://www.city.toshima.lg.jp/132/bunka/kanko/006993/documents/otomemap2015.pdf

(※1) 「サンシャイン前」交差点から、春日通りの「東池袋三丁目」交差点までの200mほどの通りの通称。女性を対象にしたアニメグッズや同人誌などを扱う店舗が密集している。

>>後編へ続く

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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