男らしいだけのヒーローはいらない!”女子力が高くなった”いまどき男子の求めるヒーローの特徴を研究

「ヒーロー」と言われて、みなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。多くの人が、アメコミのスーパーマンやバットマンのような、筋肉ムキムキのマッチョな男性像をイメージするかもしれません。日本の若者にもそういうヒーローに憧れる人はいますが、意外と少数派です。ここでは、彼等が抱くヒーロー観の実態を、「男らしさ」や「女らしさ」に対する考え方から分析した結果をご紹介します。

■“女々しく”なった?日本の若者男性に変化の兆し

最近、日本の若者の男性が“女々しく”なったという指摘が色々なところでされています。恋愛に消極的で異性と友達のように接する草食男子、カフェでお喋りを楽しむカフェ男子、スイーツ男子、日傘男子など、さまざまです。実は彼らは”女々しい”というよりも、これまで日本社会で暗黙的に”女性の関心領域”とされていたものに積極的に関心を持つ男性なのです。しいていえば、”女子力が高い”という表現がピッタリです。では、こういうタイプの男性は、どのようなヒーローを好むのでしょうか?

■若者を分類してヒーロー観を比較

今回私たちが実施した調査 「Fields Yoka Survey 2016では、高校生~20代の男性を「男らしさ」「女らしさ」の強弱で分類し、それぞれのヒーロー観を比較しました。マッチョで大胆などのいわゆる「男らしさ」と、しとやかで優しいなどのいわゆる「女らしさ」を提示し、身に付けたいと思っている強さで以下のように分類しました。

分類1.「男らしさ」も「女らしさ」も身に付けたい …「ハイブリッド型」

分類2.「男らしさ」は身に付けたい、「女らしさ」は不要 …「男型」

分類3.「男らしさ」は不要、「女らしさ」を身に付けたい …「女型」

分類4.「男らしさ」も「女らしさ」も不要 …「消極型」

人数比は、「ハイブリッド型」:「男型」:「女型」:「消極型」=4:1:1:4 となりました。

■アメコミヒーローを好むのは「男型」だけ

分析の結果、分類によって好きなヒーロー像が大きく異なりました。「男型」のひとだけがスパイダーマン、バットマン、アイアンマンといったアメコミヒーローを好み、「ハイブリッド型」「消極型」のひとは『ONE PIECE』のルフィや『ドラゴンボール』の孫悟空といった、仲間と共に切磋琢磨しあうヒーローを好む傾向がありました。アメコミヒーロー派は、やはり少数派のようです。

■「ハイブリッド型」=イマドキの若者男性

「ハイブリッド型」は、余暇に対してとても積極的な人です。ショッピング施設やカラオケ等、「誰かと一緒に出かけて行ける場」を好み、コンテンツ接触にも積極的。親、友人、恋人との交流も積極的で、SNSでの発信力も高い傾向があります。つまり、冒頭にあげた“女子力が高い”イマドキの若者男性は「ハイブリッド型」に該当するでしょう。

ちなみに、「消極型」は、余暇や人との交流にそこまで積極的ではありませんが、ヒーローの好みは「ハイブリッド型」と近いため、「ハイブリッド型」が良いと思って発信したものが、次第に「消極型」にも広まっていくと考えられます。

■日本の若者が”女子力が高く”なった背景と今後

今の若者世代の母親は、ちょうど日本でも女性の社会進出が叫ばれ始めた時代に出産を経験しています。専業主婦ではなく、働く母親として活躍する姿をみて、若者たちは大人になりました。

また、教育の分野では、家庭科の男女共修化が完了し、ブルマーの廃止や男女混合名簿の推進が行われました。

メディアでは、KABA.ちゃんやIKKOさんなど、多様な性のあり方を示すタレントたちが活躍し始めました。

こういった環境が、今の若者たちの性別観に影響を与え、“女子力が高い”男性を生んだのではないでしょうか。

「Fields Yoka Survey 2016」でも、「社会の中で果たすべき役割は男女で異なる」と考える人は若年層ほど少なく、性別意識が薄れてきています。今後も、若者たちにとってのヒーローはどんどん変化していくことでしょう。

(記事:河合利剋)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

■おすすめ記事

・日本コンテンツ市場の鍵を握る”New Type”を研究!新たな時代の若者たちの、消費の傾向や価値観とは?

・女性の心を掴むヒーロー作品とは?消費行動タイプ別の分析から見える、女性の好む作品傾向をレポート

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です