『Fields Yoka Survey 2016』研究速報 変化と進化を続けるニッポンの余暇

私たち、フィールズ総研(FRI)は、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念の実現に向けて、広く世の中を俯瞰した視点から、「人間」や「余暇・コンテンツ」とその「ビジネスモデル」などについて、調査・研究を行なっています。
その一環としてこのたび、日本国内10,000人に対する「余暇活動・エンタテインメント及びコンテンツ受容に関する総合調査《Fields Yoka Survey 2016》」を実施。その分析結果を「フィールズ総研フォーラム」にて発表しました。

■「余暇4.0」の時代
フィールズ総研では、余暇概念を4つの進化段階に分けて捉えています。
まず、原初として、かつて産業革命以前では、労働していない空白時間が余暇でした(=余暇1.0)。そして、工業化社会へと移り変わった時、余暇は、良き労働のために英気を養う時間=「リ・クリエーション」として移り変わっていきます(=余暇2.0)。その後第三次産業が拡大するにつれて、非労働時間自体が市場とみなされるようになりました=「レジャー産業」(=余暇3.0)。そして今時代は「余暇3.0」から「余暇4.0」へと移りつつあります。「余暇4.0」とは、余暇活動が新しい価値を生み出す「生産手段」とみなされる、そんな時代です。今後は、労働と余暇の区分がなくなっていくのではないかと考えています。

「余暇4.0」時代に向かっていくにあたって、我々は3つの視点が必要だと考えています。ひとつは、一人一人の人間かいかに幸せに生きるかという「人間視点/QOL(Quality Of Life)」。もうひとつは、創造的な余暇環境を提供できるインフラやコミュニティを重要な社会資本として育てるべきという「社会視点」。最後に、人間視点と社会視点が重なった結果として生まれる経済的価値としての「市場視点」です。

■ニッポン人の「幸せ」と「余暇」の関係
「自分は今、幸せか」という問いに対して、およそ6割の日本人が「幸せである」と回答しました。女性7割、男性5割と、男女間で差が出たのは興味深いところです。幸せかどうかの判断基準として、家族、家庭、健康、友人関係といった項目が多い中、余暇もそれなりに重視されています。さらに、「余暇」と「幸せ度」の関係性を見ていくと、余暇は幸せには直結しないものの、「人間関係」と「自分らしさ」を満足させる力があり、幸せ度のアップにつながっていることが統計的な分析から分かりました。

また、<余暇を多く経験するほど人は幸せになっていく>傾向も分かり、これを我々は「余暇リッチ」と呼び、今後の研究テーマとして注目しています。

■進化する「余暇」と「コンテンツ」
人びとの余暇活動やコンテンツ受容の実態を捉えるに当たって、《Fields Yoka Survey 2016》では以下のようなオリジナルの視点を加えています。

(1)「幸せ/QOL」という視点
余暇やコンテンツ受容がどのように人生の豊かさに繋がっているのかを解明しようという視点。

(2)体験価値
コンテンツに触れることで受け手がどんなベネフィットを得るのか、誰と一緒にやるのか、どんな派生行動をとるのか……といった体験価値も重要なポイントです。

(3)「脱消費者」=「プロシューマー」視点
今は受け手自身がモノを作る時代です。受け手はただの消費者ではなく、生産者でもあり、企業が介さないところでエンタテインメント市場のサブシステムができあがっています。ニッポン人の3割以上が創作活動をし、その内の3.4%が創作活動によって収入を得ているという事実から、今や、プロシューマーが余暇を進化させているという仮説も成り立ちます。

■ニッポン人が求める「ヒーロー」像
今回の調査では、「ヒーロー」に関する質問も行ないました。そこでは86%の人が、「今後の日本にヒーローが必要だ」と回答。5年前の調査結果を上回る数字となりました。ヒーローが必要な理由としては、「自分の目標となる」、「憧れの存在が必要」、「日本を引っ張っていく人が欲しい」などが挙がりました。

一連の調査結果を踏まえると、日本は震災以来この5年間、確固とした実在のヒーローを生み出せなかった、とも捉えることができます。そして今あらためて、ニッポン人に求められるヒーロー像とは何かと考えると、
・心にぽっかりあいた穴を埋めてくれる
・倫理観を持ちこの国を引っ張ってくれる
・子供たちの希望になってくれる
そんな「ど真ん中のヒーロー」の出現を願っているのではないでしょうか。

今後もフィールズ総研では、「人間視点」、「社会視点」、「市場視点」の3つの視点から研究を続けていきます。研究結果は、フォーラムやFRI Facebookを通じて、皆さまにお届けしていきたいと思いますので、ぜひご期待ください。
※《Fields Yoka Survey》に関する質問等もお気軽にお問い合わせください。

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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