満倉靖恵氏(脳科学者)

このたびのゲストは、慶應義塾大学 理工学部 准教授 満倉靖恵先生です。満倉先生は、脳波信号解析における第一人者で、脳波から「興味度」「好き度」「集中度」「ストレス度」「眠気度」といった人の感性を可視化する装置『感性アナライザ』を開発されたことでも有名です。

そんな満倉先生にお話いただいたテーマは、ずばり「脳波」について。人の頭と心の研究の最先端をお届けします。

■感性とは?
人の“気持ち”のことを、「センシビリティ」、「エモーション」、「感性」といった言葉を用いて表現しますが、定義的には、それぞれ別のものです。どういった関係かと言うと、「センシビリティ」は遺伝で受け継ぐものであり、「エモーション」と「感性」は生まれた後に備わる後天的なもので、環境や文化によって変わるものです。

■世界初、脳波によるオンライン感性取得
今、世の中に出回っている脳波計の多くは、正しく脳波を処理できていなかったり、個人差を考慮できていなかったり、意味づけが曖昧だったり、問題が多いものが大半です。我々が開発した『感性アナライザ』は、個人差を考慮しながら、正確な信号処理を行っており、さらに装着が簡単なので、ストレスなく脳波を取得することができるので、結果、高い確度で感性を解析できるツールとなっています。

■ニューロマーケティング
少し前までは、アンケートという手法を用いて人の興味・関心を評価してきましたが、近年では、ニューロマーケティングという手法が注目されています。
例えば、CMを見てもらって、「アイトラッカー」と「脳波」を一緒に測ることで、CM映像のどのタイミングで興味・関心が高まったのかをリアルタイムで評価することができます。さらに、そういった評価を映像作品づくりの現場に戻すことによって、脳が喜ぶ究極の映像づくりのお手伝いもしています。

■パチンコ遊技者の「頭」と「心」の中
このたび『感性アナライザ』を使って、パチンコをプレイしている人の「脳波」を取得し、色々と分析したのですが、そこからいくつかの発見がありました。
まず、1つ目は、プレイ中の「ストレス」です。今回の実験では、プレイ序盤はほぼストレスを感じることはありませんでしたが、20分以降に急激にストレスが増大することがわかりました。
2つ目に、「感情の変容」です。ストレスが大きくなったとしても、その後、「集中度」を上げるような何かがあれば、ストレスが興味や好きに変わるということがわかりました。

■ちょっと先の話
思考や感情は、電気信号の組み合わせでできています。皆さんが感じる「嬉しい」とか「悲しい」とか「さみしい」とか「辛い」とか、全ての感情というのは、実は、脳から電気信号として発信されているのです。ということは、裏を返せば、ある電気信号を入力することで、人間は「嬉しい」とか「悲しい」という感情が生まれるわけです。
倫理的な問題はありますが、将来的には、外部からの信号によって、人の感情をコントロールするような技術も実現されると思っています。

この他にも、「五感と感性の話」や「念動力に関する話」など、興味深いお話をいただきました。次回の勉強会も乞うご期待ください。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です