日本でマンガ原作の実写映画が溢れる理由

『テラフォーマーズ』『ちはやふる』『暗殺教室』など、今年公開されたアニメ・マンガ原作の実写映画は、現時点で既に25本。昨年は32本で、一昨年は38本だったが、今年はそれを上回りそうな驚異的なペースだ。さらに、今年の邦画の興行収入TOP10のうち、4本は「マンガ原作の実写映画」である。なぜ、日本では、こんなにマンガ原作の映画がウケるのか?

■要因1‐映画界の巨人・東宝株式会社
2000年以降、日本映画をけん引してきた東宝株式会社。邦画の興収の実に6割は、東宝の作品である。そんな東宝は、収益を安定化するためにある戦略をとっていると言われているようだ。それが『100万部戦略』だ。要は、100万人を動員するために、100万部以上売れた書籍を映画化するのである。数年前まで100万部を超える書籍は、「小説」が多かったが、近年では「マンガ」へと移り変わっており、結果、マンガ原作の映画が多くつくられるのである。
「コミックファンが人口の1割にも満たないアメリカ(Facebook参考)」に比べて、「日本国民は、5割以上がマンガを読んでいる(DIMSDRIVEより)」とも言われており、元々市場が大きいのだ。

■要因2-メディアミックス
近年では、ひとつのコンテンツを多メディア展開することが一般的になっており、「映画」もその重要な一環を担っている。多くのマンガ原作映画では、人気アイドルなどを起用して、マンガを見ない層にも認知を拡大したり、作品を長く印象付けるためにテレビアニメ放送の空き期間に公開したり、さらには、スピンオフ作品や映画だけのオリジナルストーリーを追加して話題を喚起したりと、実写映画には沢山の役目がある。

■要因3-テクノロジーの進化
以前はアニメーションでしか表現できなかったものが、今では、実写として表現できるようになった。特にCG技術の進化によって、マンガならではの特殊生物や非現実な世界なども、違和感ない形で実写にできてしまう。テクノロジーの進化も大きな要因だろう。

■日本マンガ、ハリウッドへ進出
ハリウッド映画におけるアメコミ原作は、1980年代までは10本程度だったが、2000年以降は43本に増加している(Box Office Mojoより)。
主に『スバイダーマン』、『バットマン』など、ヒーロー作品が多いが、最近では、日本のコンテンツ(『All you need is kill』、『アキラ』、『攻殻機動隊』)も映画化されはじめており、この傾向は今後も続くだろう。
日本のマンガが世界各国の映画館を賑わせる、そんな日もそう遠くないかもしれない。

(記:方 錦怡)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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