「歴史まんが」が再ブーム! その理由とは

「学習まんが」というマンガのジャンルをご存知だろうか?

マンガ大国と言われる日本では、”学習を目的として描かれたマンガ”が、1つのジャンルとして 確立している。中でも、「日本の歴史」を扱った学習まんがは子どもを中心に長く親しまれているが、最近、再度熱い視線を浴びている。

 

■ 老舗から新規参入まで!群雄割拠の”日本の歴史”まんが

学習まんがは理科や数学、歴史を扱った子供向けのものから、ビジネスやマナーを扱った大人向けのものまで幅広い。 中でも、“日本の歴史”を扱った学習まんがは代表的で、小学館、学研、集英社といった日本の大手出版社が各々の老舗シリーズを有する。競合の多い”日本の 歴史” では、各社が歴史考証の深さ、内容の分かり易さなどで独自色を打ち出そうとしているのだが、そこに最近新しいトレンドが加わった。それは、人気マンガ家が 表紙を手掛けるというものだ。

■ “日本の歴史”の新トレンドは人気マンガ家の起用
出版大手のKADOKAWAは、今年の6月に初めて”日本の歴史”シリーズを刊行。全15巻に及ぶ「角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』」は、全ての表 紙を異なる作家が手掛ける。例えば、1巻の表紙は『ケロロ軍曹』で知られる吉崎観音さん、5巻の表紙は『デスノート』で知られる小畑健さんだ。ふつう、書 籍の売り上げは発売日から週次で減少していくものだが、同シリーズは発売後から現在に至るまで、継続して売り上げを保っており、その人気ぶりがうかがえる (当社調べ)。
集英社も2016年秋に、「学習まんが日本の歴史」の18年ぶり4度目の改訂を行う予定だ。今回の改訂では、表紙イラストに、『ジョジョの奇妙な冒険』の 荒木飛呂彦さん、『NARUTO』の岸本斉史さんら豪華メンバーを起用する。幅広い世代に大人気のマンガ家だけに、子どもだけでなく大人の興味も引きそう だ。

■ 他の「学習まんが」たちもブームに続けるか
今回、 “日本の歴史”まんがが改めて注目されたのは、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』(2014年)という小説のヒッ トが切欠の1つと言われる。同作は2015年に映画化もされたが、この作品中で、主人公が「学習まんが」を使って日本史を勉強し成績を上げた。この流れに うまく乗り、さらに人気マンガ家の起用で注目を集めたことが、「歴史まんが」の再ブームを作ったと言えよう。
マンガで学習するという考え方が広く受け入れられるのは、長らくマンガに親しんできた日本ならではの風潮ではないだろうか。ぜひ、他の学習まんがたちも再ブームの波に乗り、日本の誇るマンガジャンルとして「学習まんが」を存続させていってほしいものだ。

(記:小林 真希)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。

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